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【GALLERY】ボールパークに夢を馳せて─竹内裕二写真集『ROOT ROOT ROOT』パネル展

2階ギャラリーにて竹内裕二写真集『ROOT ROOT ROOT』(ワニブックス)刊行記念パネル展開催中!

【映画監督 西川美和さん推薦】野球場の日差しほどまばゆいものはない。売店で、コンコースで、プレイボールを待つ。こんなに心躍るひとときはない。夕闇が降り、カクテルライトのもとで大好きな選手を目で追う子供や老人。こんなに幸福な風景はない。これは天国の写真集だ。

西川美和(映画監督)

数多くのファッション誌で表紙を担当する
大人気フォトグラファー・竹内裕二による、自身初の作品集。

テーマは、竹内氏の”ROOT”である野球観戦の記憶。
球場に向かうワクワク感、球場の大きさ、芝生の美しさ、ホットドッグのうまさ……
自身が父に連れて行ってもらった野球場の記憶を辿るように、
野球の本場アメリカで無心に撮り続けた写真たちが一冊になりました。

海の向こうの風景なのに、どこか懐かしさを感じる
竹内氏の作品を通じて、あなたも自分自身の原風景(ROOT)を
思い起こしてみませんか?

会場で『ROOT ROOT ROOT』お買上の方にA4判オリジナルプリントをプレゼントいたします。5種類の中からお選びください。

いつの頃からだろう? 野球場がスタジアムではなくボールパークになったのは。野球場は野球を楽しむところ、のはずが、ホテルが併設されていて野球が目的ではなくてそこはミーティングの場だったり、おいしい食事のできる場になっていたりする。もちろん野球好きがエキサイトできるようにもなっているし、野球を知らない人が行っても楽しめる場になっている。さらには、町がボールパークを中心に設計されることもあるようだ。最初はなしに聞いたときは正直しっくりこなかったが、実際に行ってみると、、、

90年代半ば、30代の頃に毎年のように渡米していた。東から西まで横断もしたが訪れるのはほとんどが西海岸で、目的はチェーンストアの視察。チェーンストアの視察はショッピングセンター(SC)の視察を意味する。レンタカーで何カ所もSCを回り、広大な敷地のSCを端から端まで歩く。足が棒になるが、何かをつかみ取ろうと必死だった。毎日毎日店舗を見るだけで全くレクリェーションなし。今から思うともったいないことをした。LAのサバブ、ランチョクカモンガを走っていると野球場が見えた。あっという間に走り過ぎたが、なんとなく日本の野球場とは違い、自由な感じがした。その時ふと、メジャーリーグを見たいなと思った。ちょうど野茂英雄がドジャーズでデビューしトルネード旋風を巻き起こした頃だ。

メジャー観戦の夢が実現したのはあれから20年経過した2015年。travel3と称しておっさん三人旅を初めて3年目だった。テキサスのマーファでジャッドを見てLAに戻って来て、イームズ邸を見損ねてから、ゲーリー自邸、ノイトラのリサーチハウスを見て(といっても行き当たりばったりなんで外観だけw)ドジャースタジアムへ。当然と言えば当然なのだが車社会のアメリカ、パーキングのとんでもない台数の車に度肝を抜かれスタジアム内へ。名物のホットドッグは高い割にちっともうまくなかったが、スタジアムは日本の様に汗臭い?感じはなく、誰もが楽しめる雰囲気が漂っていた。イニングとイニングの間も来場者を飽きさせない工夫が凝らされていた。例えば大型のモニターに映し出されたカップルはキスしなくてはならないようで「キッスカム」と言うらしい。野球も含めてのエンターテイメントの場だった。ちなみに初メジャーは楽しい体験だったが、応援していたドジャーズのエース、カーショウは負け投手になった。

スポーツを楽しみ、そしてそれを収益につなげ、よりよい時間、体験を提供しようとするクリエイティビティは私のつたない文章よりもこの写真集『ROOT ROOT ROOT』を手に取っていただければわかるはずである。写真家竹内裕二の幼い頃に父親に連れられた広島市民球場の原体験が昇華した写真集をぜひこの機会にご覧ください。

スタンダードブックストア 中川和彦