STANDARDBOOKSTORE SELECT ONLINE SHOP

【EVENT】11/26(土)19:00 石垣慧×蒜山目賀田トーク 『BEACON – “ウォールフラワー”が集うZINE製作の舞台裏』


ZINE『BEACON』の編集・石垣慧と、同誌創刊から小説を寄稿する作家・蒜山目賀田を交え、日々の生活を切り売りしながらZINE製作を続ける動機や舞台裏、展望について語ります。
『BEACON』はコロナ禍の中での「生存報告」をテーマに製作を始め、今年9月にVOL.2が発刊されたZINE。

編集の石垣が声をかけた平成世代による多様な寄稿が掲載されていますが、なぜ石垣がBEACONを作ったのか?これからも作り続ける気でいるのか?製作の舞台裏やZINEにまつわる想いをエピソード満載で語るイベントです。

イベント概要】

・石垣/蒜山の自己紹介
・ZINE『BEACON』はどのように製作されてきたのか?
・『BEACON』をどういう視点で読んだか?”ウォールフラワー”を記録する意味
・石垣はなぜ(生活を犠牲にしながら)ZINEを作り続けるのか?
・(オーディエンスも交えて)『BEACON』の感想やこれからに期待すること…etc

【トークで話したい内容とその背景】
『BEACON』については、あまりにバラバラで一貫性のない誌面内容から、一体なんのためのZINEなのか分かりにくいところがあるかもしれません。僕自身もずっと同誌を「昔のVineとかクイックジャパンみたいな感じですかねぇ」「同世代の小さな声を集めたノンイシューなZINEでして」など曖昧な説明でぼかしてきました。なぜ自分のやっていることの言語化がこんなにうまくいかないのだろうとずっと悩んでいたのですが、最近になってその理由が分かってきました。このZINEを作ることは僕自身のなかにある、この世の中への怒りや失望感の表明でもあり、世の中が拾わない面白いことを記録するという反抗精神の表現でもあったので、誰かにおもねるような「わかりやすい説明」をしたくなかったんですね。だからこそ『BEACON』は自分自身が世に対峙するために、ちょっとでも世の中マシになるように、誠実で面白い出来事を自分で見つけるために掲げるツールとして機能していて、結果として昔ながらのパンク的なZINE精神を継承しているとも思います。

創刊の動機はhoka books(烽火書房)の嶋田翔伍さんが発行した『たやさない』1号にも寄稿した通り、コロナ禍での生活困窮状態の最中、音信不通状態だった友人達の近況を聞くことを目的とした、まさしく自分を含めた「生存報告」を残すことにあったわけですが、このVOL.1を作ってみた時に初めて自分が抱えていた”渇望感”みたいなものがほんの少しだけ、満たされた感じがしました。それはいわゆる製作物を広く見てもらえたことによる自己顕示欲ではなく、製作プロセスを通じて同世代が見ている景色を「再発見した」ことの喜びを見出したことにあります。世の中から疎外されているという気分、この不機嫌な世情に怒りや失望を覚えながらもしぶとく生きている同世代の声を掘り起こした喜び。それが自分がもう少しこの世間につきあって生き延びていくための動機になっていきました。
自分はどこにでもいる勤め仕事で疲弊して、この世の中にうんざりしています。自分ひとりで物事を考えているとどんどんと鬱々として、学生時代には精神的にへたれたこともありました。根っからのネガティヴな人間です。今は自殺念慮なんてありませんが、これ以上政府がバカみたいな増税をするなら早よ死んだ方がマシだ、とさえ思うこともしばしばです。しかしBEACONを作っていると、何か自分の好奇心やワクワクが満たされていく。これまでに同誌で話を聞いてきた人の経歴は多彩です。ジュネーヴの物理学者もいれば高円寺のバンドマンもいるし、ブレーメンに留学したアニメーターもいれば出生の秘密を最近知ったという台湾人もいる。占い師もセックスワーカーもハガキ職人もゲームオタクもいる。書くことも話すことも全くバラバラですが、けれどみな、それぞれ自分が持つ想像力やナイーブな感性を大事に守り抜いている、という点では何一つ変わりませんでした。この重くどんよりとした時代にあって、誰ひとり自分のなかのともしびを消してはいないことに、僕は励まされた。こんなに面白い”ウォールフラワー”が生きているなら、まだ世の中捨てたもんじゃないし、彼らの話は記録して人に読ませたいと素直に思ったのです。

先述の『たやさない』には「BEACONを製作し始めた経緯」を嘘偽りなく書きましたが、「自分がBEACONをこれからも作っていく動機」まではうまく言葉にできなかった。
今回のトークでは「自分がなぜVOL.2、そしてVOL.3以降を作り続けていくのか、それは自分が作らないと世の中に失望して死んじゃうから」というところを主軸に話をしていきたいと思います。床屋政談のような、世間に対してクダを巻くようなムダ話はしないつもりですが、「BEACONが目指す風通しの良さやオープンな誌面づくり」は「世間の閉塞感とセットなんだ」というところはしっかり伝えたい。その上で、VOL.3以降もつくりづけたいという想いを語りたいと思っています。

同時に、今年も全国津々浦々の書店主の皆様に取り扱っていただけたのですが、ZINEというものは案外と、全く読者の声が届かない。どのように受け止められているのか、どういったところが面白いのかを逆にオーディエンスの皆様に聞けるような時間もいただけたら嬉しく思います。 石垣慧(ZINE BEACON 編集)

会場スタンダードブックストア2Fギャラリー
日時11月26日(土) 19:00〜 /20:30頃終了予定
出演石垣慧(ZINE BEACON 編集)
蒜山目賀田(作家) 
中川和彦(スタンダードブックストア / ただ単に置物みたいに横にいる予定)
料金¥1,100(¥1,000+税)
*ドリンクは付いておりません。ご希望の方は各自1階でお買い求めください。
*定員になり次第締め切りとさせていただきます。
予約(1)来店 2Fレジカウンターへ
(2)電話 06-6796-8933
(3)E-mail info@standardbookstore.com
 ❶イベント名… 石垣慧×蒜山目賀田トーク 『BEACON – “ウォールフラワー”が集うZINE製作の舞台裏』❷お名前 ❸お電話番号 ❹人数をお送りください
(4)通販
スタンダードブックストアBASE  でお買い求めください。
石垣 慧 |いしがき けい

1991年横浜生まれ静岡育ち大阪在住。コロナ禍の最中に失業したことをきっかけに、友人同士が生存報告するためのZINE『BEACON』を漫画家・塚田雄太と共に発刊。在宅ワークをこなしながら、合間合間にZINEを作る日々を送っている。今年は『たやさない つづけつづけるためのマガジン』(烽火書房)、『音楽雑談集:別冊サテツマガジン サウンドトラック』(サテツマガジン)にも寄稿。谷町を拠点に完全即興バンドDaimajin(大魔神)のギターとしても活動中。

どれが石垣君なんやろ?w
蒜山 目賀田|ひるぜん めがた

1989年生まれ 美術作家・小説家
2015年武蔵野美術大学卒業、2017年同大学大学院修了。これまでにネット会場も含めた11回の個展やグループ展、装画などで作品を発表。BEACONでは創刊時より小説を寄稿している。11月25日より、今年9月に梅田にオープンしたギャラリー、BEAK585 GALLERYにて、関西では初の個展「SCREEN」を開催(展覧会は本イベント内容とは関係はありません)

https://hiruzenmegata.wixsite.com/site