今年6月に新潮社刊「やりなおし世界」刊行記念で津村記久子さんのトークイベントを開催。編集担当の加藤木さんも東京から駆けつけてくださった。イベント後カフェに場所を移して3人で打ち上げをした。その際加藤木さんに独立することを聞いた。安定した出版社にいるのに正直驚いた。そして安定を投げ打ってまでつくりたい本が赤染晶子さんのエッセイだと聞いた。文学音痴(いや本全般音痴w)の私は恥ずかしながら知らなかったが、津村記久子さんや万城目学さんも赤染さんのファンだと聞いた。後日来店された時にパームブックスの立ち上げを聞いた。加藤木さんは確か岸本佐知子さんの担当編集者でスタンダードブックストアが心斎橋にあった時に津村さんとの抱腹絶倒トークでお世話になって以来のお付き合い。微力ながら応援したいのとタイミング合えばイベントしましょう!と伝えた。
なんと、今回うまくタイミングが合って、来春に津村記久子さんも交え3人でトークすることに!突拍子もないように見えて実はどっしりとした言い回し。そして独特のリズムで読者を心地よいグルーブ感で包み込む赤染さんの魅力を存分にお伝えします。もちろんこの本を出版した経緯等々も伺います!乞うご期待!!
スタンダードブックストア 中川和彦
赤染晶子さんの『じゃむパンの日』できあがりました!見ための軽やかさと、中身のぎゅっとつまったバランスが絶妙な一冊。今週末11/20(日)文学フリマ東京で先行発売します。
赤染さん、活動期間が限られていたことから、はじめましての方もいらっしゃると思うので、すこしご紹介させてください。1974年京都の舞鶴で生まれ、京都外国語大学卒業後、北海道大学大学院へ(専攻はドイツ語、ドイツ文学)北海道で5年過ごされたのちに京都に戻られて、2004年「初子さん」で第99回文學界新人賞を受賞。ちなみにその前の第98回受賞者はモブノリオさん「介護入門」、宮下奈都さんが佳作受賞されています。2007年に初の単行本『うつつ・うつら』刊行。デビュー作「初子さん」と表題作の2作を収録。文藝春秋〈来るべき作家たち〉シリーズの一冊で、円城塔さん『オブ・ザ・ベースボール』津村記久子さん『婚礼、葬礼、その他』藤野可織さん『いやしい鳥』谷崎由依さん『舞い落ちる村』も同シリーズです。2010年「乙女の密告」で第143回芥川賞を受賞。京都の外語大を舞台に「アンネの日記」を暗唱するスピーチコンテストをめぐる本作は、小川洋子さんをはじめ多くの選考委員の強い支持を得て、白熱した議論のもと受賞に決まったことを当時の選評が伝えています。2011年『WANTED!! かい人21面相』を刊行。幼少期から呼吸器系が弱く、わたしは「乙女の密告」の文芸誌発表時に担当させていただいており、ムリのきかないおからだであることはよくわかっていたのですが、2017年急性肺炎で42歳で逝去されたときは、その知らせを受けたみなが言葉を呑む思いだったよう記憶しています。
今回あらたに刊行される『じゃむパンの日』は赤染さん初のエッセイ集となり、デビュー後から文芸誌や新聞に寄稿されていたもの全55篇を収録。このユーモアはどこから来るんだろうと思うような笑いと、そこに描かれるひとたちへのまなざしのあたたかさに、読んでいるだけで気持ちがほぐれる一冊です。全篇を通して思うことは、つづきをもっと読みたかった…のひとことになってしまうのですが、これまで赤染さんの作品をお好きでいらした方はもちろんのこと、今回はじめて赤染さんを知ったという方にもこの本で、こんな書き手がいたなんて、と出会っていただけたら、本望です!
会場 | スタンダードブックストア2Fギャラリー |
日時 | 1月27日(金) 19:30〜 /21:00頃終了予定 |
出演 | 津村記久子 加藤木礼(パームブックス) 中川和彦(スタンダードブックストア ) |
料金 | ¥1,980(¥1,800+税) *ドリンクは付いておりません。ご希望の方は各自1階でお買い求めください。 *定員になり次第締め切りとさせていただきます。 |
予約 | (1)来店 2Fレジカウンターへ (2)電話 06-6796-8933 (3)E-mail info@standardbookstore.com ❶イベント名… 『じゃむパンの日』刊行記念トーク、津村記久子x加藤木礼x中川和彦 ❷お名前 ❸お電話番号 ❹人数をお送りください (4)通販 スタンダードブックストアBASE でお買い求めください。 |
1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠 にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞してデビュー。08年『ミュージック・ブレス・ユー !!』で野間文芸新人賞、09年「ポトスライムの舟」で芥川賞、11年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、13年「給水塔と亀」で川端康成文学賞、16年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、17年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞、19 年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞、20年「給水塔と亀(The Water Tower and the Turtle)」(ポリー・バートン訳)でPEN /ロバート・J・ダウ新人作家短編小説賞を受賞。近著に『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『苦手から始める作文教室』などがある。